製造開発者のつぶやき 《その5 湿度と結露のお話 》
2010/7/24 8:49 PM
さて、今回は
「湿度と結露のメカニズム」について
お話ししていこうと思います。
みなさんは、湿度には2種類あることをご存知でしょうか?
勿論、知っているという方もおられるでしょうが、
多くの方は、湿度といえば
「湿度~%」というものしかご存知ないのではないでしょうか。
みなさんが通常使っている「湿度~%」というのは
『相対湿度』と言います。
相対と言うくらいですから「比」で表されたもので
(ちょっと難しい言い方かもしれませんが)、
(その空気と同じ温度における飽和水蒸気量)の「比」の100倍
で表されます。
※ 飽和水蒸気量:空気中に含むことができる限界の水蒸気量のことで、
気温によって変化する。 (例:20℃→17.3g/m3 0℃→4.8g/m3 )
もう一つは、『絶対湿度』と言い、一般的には
で表されます(単位:g/m3 )
え~ここまで長々と湿度の説明をしてきましたが、
「結露のメカニズム」の説明をするために必要なので
どうかお許しを・・・。
さて、珪藻土建材を扱うメーカーのほとんどが謳っている
「結露防止」という言葉ですが、
そもそも結露ってどのようなメカニズムでおこるのでしょう。
そりゃあ、湿気が多いからだろうと言われそうですが、
それだけの問題じゃ~ないんです。
例えば、20℃50%(相対湿度ですよ)という、
一般的にはきわめて快適な温湿度環境の空間があるとします。
この時の絶対湿度は8.6g/m3で、
その飽和温度(結露する温度、「露点」といいます)は
9.3℃となります。
したがって、この空間の中に9.3℃以下のところがあれば、
そこで水蒸気が水に変わり水滴となって現れてきます。
これが結露というものです。
夏場に冷たい飲み物を入れたコップの表面に水滴が付きますが、
これも同じ原理です。
ここで、冬場にご自宅の温湿度がどの位になっているか
考えて頂きたいのですが、
おそらく冬場20℃50%程度の環境になっているお部屋は
たくさんあるのではないでしょうか。
となると問題は部屋の中に
9.3℃以下になっている部分があるかどうか
ということになりますが、
例えば1重の窓や玄関ドアなどは
9.3℃以下になっているのではないでしょうか。
あるいは、断熱材の入っていない壁があれば、
9.3℃以下になっているかもしれません。
調湿建材を販売しているメーカーとしてはあまり言いたくはありませんが、
正直、このようにして起こる結露は調湿建材で防ぐことはできないのです。
(調湿建材は湿度50%程度に調湿するものですから)
これについて言うと、
それぞれの部位についての断熱というのが、まず必要です
(今年から断熱性能の高い窓サッシや
断熱工事のエコ減税も始まりましたね)。
それじゃあ、珪藻土建材メーカーが謳っている結露防止って何なの?
と言われそうですが、
先程の20℃50%の環境についての話、
これが20℃90%の環境になったらどうなるかというと、
結露する温度は18.4℃となってしまいます。
例えば冬場に加湿器を使って加湿を行ったり、
食事を作る際、煮炊きを行えば
部屋の一部は確実に湿度90%以上になると考えられます。
それが室内空間よりたかだか1.6℃温度が低い部分があれば
簡単に結露してしまうということになります。
実際ご自宅を想像して頂くとわかると思いますが、
冬場に室温20℃の時、
壁面の温度が18.4℃より高い家があるでしょうか?
まず無いのではないでしょうか。
では、9.3℃はどうでしょう。
断熱がある程度しっかりされた家であれば、
まず壁面の温度は9.3℃以上あるのではないでしょうか。
『珪藻土建材が結露を防止する』というのは、
基本的にはこの考え方に基づいています。
そして結露を防止することは
確実に家の寿命を伸ばすことになります。
今回は、ちょっと理屈っぽい話をしてしまいましたが、
住まいを守るという意味でも大変重要なことですので、
結露が起こった際に参考にしていただけると幸いです。
by ハカセ成田
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